岩手県
岩手県の食文化は、広い県土の中で内陸の粉食・豆食と、沿岸部の魚介利用が分かれて発展している点に特徴があります。そばやひっつみ、南部せんべいのような食は、米だけに頼らない主食文化を示す例です。 盛岡周辺では麺料理が都市の外食文化として定着し、沿岸部には魚介を生かす名物も見られます。山間・内陸・沿岸の生活条件が異なることが、地域ごとに食の形を分けています。この背景が、県内でこうした名物が多く見られる理由になっています。
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わんこそばは、小椀に少量ずつ盛られたそばを給仕とともに次々と食べる岩手の名物そばです。給仕が掛け声とともに椀へそばを入れ、食べた杯数を数える体験型の食文化で、味だけでなくやりとりそのものを楽しむ点に特徴があります。 盛岡市や花巻市で知られ、花巻または盛岡のもてなし文化に由来するとされます。盛岡冷麺や盛岡じゃじゃ麺と並ぶ盛岡三大麺の一つで、花巻では大会も行われています。
詳細を見る →盛岡冷麺は、強い弾力の麺と冷たいスープを合わせる盛岡発祥の冷麺です。小麦粉とでんぷんで作る半透明でコシの強い麺に、牛骨や鶏系の冷たいスープとキムチの辛味を合わせるのが特徴で、平壌冷麺や咸興冷麺をもとにしつつ盛岡で独自に発展しました。 1954年に朝鮮半島北部出身の青木輝人が盛岡で食道園を開いたことが始まりとされ、盛岡三大麺の一つとして焼肉店を中心に広まりました。
詳細を見る →盛岡じゃじゃ麺は、平打ち麺に肉味噌ときゅうり、ねぎなどの薬味をのせて混ぜて食べる盛岡の麺料理です。中華の炸醤麺に似ていますが、盛岡独自の平打ち麺を使い、食後に卵とゆで汁を加えて「チータンタン」にする食べ方があるのが特徴です。 白龍の初代店主が旧満州で食べた炸醤麺を盛岡向けにアレンジしたことが始まりとされ、盛岡三大麺の一つとして市民食から観光名物へ広まりました。
詳細を見る →南部せんべいは、小麦粉を丸い鉄型で焼く旧南部藩地域の伝統せんべいです。一般的な甘い米菓とは異なる小麦粉系の焼きせんべいで、薄く丸い形に縁がついた独特の姿をしています。ごまや落花生を入れた菓子用のほか、せんべい汁に使う汁物用など用途が分かれます。 二戸市や八戸市周辺を中心に知られ、米がとれにくい地域で小麦や雑穀を利用してきた粉食文化の中で広まりました。
詳細を見る →前沢牛は、奥州市前沢地域で肥育される黒毛和牛のブランドです。岩手ふるさと農協の商標登録ブランドとして厳格な定義に基づき扱われ、きめ細かな霜降りと肉質の良さを重視する銘柄牛です。 奥州市前沢地域の稲作地帯で昭和40年代に和牛肥育が始まり、生産者が研究と品質向上に取り組むことで全国的な銘柄牛として評価を高めました。
詳細を見る →ひっつみは、小麦粉の生地を手で薄くちぎって汁で煮る岩手の家庭料理です。耳たぶ程度にこねた生地を薄くのばして手でちぎることから「ひっつまむ」という方言に由来するとされ、団子状ではなく薄い食感が特徴です。鶏肉やきのこ、ごぼうなどを入れ、海沿いや内陸で具材が変わります。 盛岡市周辺や県北、三陸沿岸で知られ、冷害で米が不作の年に備え小麦を活用してきた地域の家庭料理として受け継がれてきました。
詳細を見る →瓶ドンは、牛乳瓶風の瓶に詰めた三陸の海鮮を客がご飯にのせて食べる宮古市発の海鮮丼です。いくらやうに、ほたて、めかぶなどを瓶に詰めて提供し、食べる直前に自分でご飯にかけて完成させる体験性が特徴です。 宮古市で海の幸を新しい形で楽しませる観光商品として考案され、宮古観光文化交流協会などが商標やPRに取り組むことで宮古の新名物として広がりました。
詳細を見る →福田パンは、大きなコッペパンに好みの具を挟む盛岡のローカルパンです。注文に応じてあんやバター、ジャムなどの甘い具材から惣菜具材まで組み合わせて挟むことができ、具材の自由度の高さが特徴です。 盛岡市で知られ、地元の学校や市民の食生活に根付いて盛岡のソウルフードとして親しまれるようになりました。
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